万年こたつパート2

諸事情により前のブログからお引越し。ドメインはツーリングブログを作りたかった頃の名残。

【薬】カデックス軟膏とユーパスタの違い

 

看護師からの質問で全然わからなかったので調べました。

 

カデックスもユーパスタも褥瘡の治療で使われるものなのに何が違うんだろう。 

 

 

褥瘡とは?

褥瘡(床ずれ)は寝たきりの老人などにおこりやすい疾患です。

 

ずっと同じ姿勢でいると一定の部分に体重がかかり、そこの部分の血液のめぐりが悪くなって必要な栄養や酸素が遅れない事が原因とされています。

 

褥瘡には急性期か慢性期か、浅井褥瘡か深い褥瘡かによって症状・治療が異なります。

 

褥瘡の深さが真皮までのものを浅い褥瘡、皮下組織まで到達しているものを深い褥瘡と分類します。

 

褥瘡の治療

浅い褥瘡と深い褥瘡で治療法が異なります。

 

浅い褥瘡ではドレッシング材や油脂性基剤の外用薬を用いて傷の保護と適度な湿潤環境の保持をメインに行います。

 

深い褥瘡の場合は、保護するだけではだめです。

 (1)壊死組織の除去(N→n)、

 (2)肉芽形成の促進(G→g)、

 (3)創の縮小(S→s)、    の順に治療を行います。

 

この(1)~(3)で用いられる薬剤も異なり、褥瘡の状態に合わせて薬剤を調節していきます。

 

カデックス軟膏とユーパスタの違い

カデックス軟膏とユーパスタはともに高い吸水効果があり、褥瘡の浸出液が多い場合に用いられます。

 

褥瘡の治療において保湿は大事ですが、多すぎると治療に必要な成分が溢れ出てしまいます。

 

カデックス軟膏及びユーパスタは添付文書によると以下のような効果があります。

 

カデックス軟膏…ヨウ素による殺菌作用及びカデキソマーによる滲出液吸収作用による潰瘍治療促進

 

ユーパスタ…ポピドンヨードによる殺菌作用及び白糖による浸出液吸収、肉芽形成作用

 

カデックス軟膏とユーパスタを比べるポイントは2点。「殺菌効果」と「吸水性」です。

 

「殺菌性」の違い

 カデックス軟膏・ユーパスタともにヨウ素による殺菌効果がありますが、その効果はカデックス軟膏の方が強いようです。

 

創傷部における薬剤のヨウ素放出性を比較したところ、カデックス>ユーパスタ だったと報告されています。(褥瘡および慢性皮膚潰瘍の治療のための外用ヨウ素製剤/日本緩和医療薬学雑誌

 

一般にヨウ素の殺菌作用の強さは、放出されたヨウ素の濃度に比例すると考えられているため殺菌作用はカデックス軟膏の方が強いとされています。

 

「吸水性」の違い

 両者とも高い吸水性がありますが、その作用機序は異なります。

 

カデックス軟膏は、基材の高分子ゲルが創傷部の過剰な水分を吸収することで乾燥させます。

 

それに対しユーパスタでは基材の白糖の浸透圧によって水分を吸収します。

 

褥瘡および慢性皮膚潰瘍の治療のための外用ヨウ素製剤/日本緩和医療薬学雑誌によると、ユーパスタは時間の経過とともに吸収した水分量直線的に増加していき、カデックスは途中で頭打ちになったそうです。

 

つまり吸水性でみるとユーパスタの方が優れていると考えられます。創傷部の水分が過剰な場合は有効ですが、度が過ぎると乾燥させてしまい治りが悪くなるかもしれません。

 

カデックス軟膏ではある程度浸出液を吸収すると、傷口とカデックス軟膏の間に浸出液がとどまり傷口を浸潤させることができます。

 

 詳しくはガイドブックを読んだほうがわかるかと。

 

参考HP

褥瘡および慢性皮膚潰瘍の治療のための外用ヨウ素製剤/日本緩和医療薬学雑誌

褥瘡辞典 for MEDICAL PROFESSIONAL/maruho

ユーパスタ[白糖・ポピドンヨード]:褥瘡治療薬/薬局実習.com

一般社団法人 日本褥瘡学会